“先口”の読み方と例文
読み方割合
せんくち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先口せんくちだから、もう少しこっちを贔屓ひいきにしたら好かろうと思うくらいであった。——これで見ると人間の虚栄心はどこまでも抜けないものだ。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「何れでもお好きなのを差上げますよ。一番の先口せんくちさんですから、択り取り見取りでございますわ」
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼女は先口せんくちの紳士を無視して、さも慣れ慣れしい口を利いた。そして、その紳士にあっさり詫言わびごとを残したまま、柾木に何かと話しかけながら、彼の車に乗ってしまったのである。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)