“側柏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひのき66.7%
てがしわ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
併し物音は馬が寝藁ねわらの上に転がつたのであつた。八は潜戸に掛けた手を離して、そこらを見廻した。玄関の、向つて右が竹垣で、其中は庭と見えて、側柏ひのきのやうな木の頭が二三本覗いてゐる。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
岡田は丁度鉄門の真向いになっている窓を開けて、机にひじいて、暗い外の方を見ている。たてに鉄の棒を打ち附けた窓で、その外には犬走りに植えた側柏ひのきが二三本ほこりを浴びて立っているのである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
またその一つのみが素晴らしく大きなもので、ほとんど三メートルを越すかと思われるほどの高さだった。そこから、向う側の壁までの間は、がらんとした側柏てがしわの板張りだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)