佐世保させほ)” の例文
東南に面する仁田にた峠とはまさに正反対である。正面には千々岩ちぢわ灘が見える。国見の頂の彼方かなたに大村湾が見える。佐世保させほ軍港の無電局が鮮明に見える。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
流汗をふるいつつ華氏九十九度の香港ほんこんより申し上げそろ佐世保させほ抜錨ばつびょうまでは先便すでに申し上げ置きたる通りに有之これあり候。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
佐世保させほに集結した連合艦隊は、士気を鼓舞するためとあって、乗組み将士の大運動会を催した。
胡堂百話 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
村上はふと思い出したように、今は佐世保させほに住んでいる妹の消息を話題にした。
妙な話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
五月初旬はじめ、武男はその乗り組めるふねのまさにくれより佐世保させほにおもむき、それより函館はこだて付近に行なわるべき連合艦隊の演習に列せんため引きかえして北航するはずなれば
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
それからまた半月ばかりののち、千枝子夫婦は夫の任地の佐世保させほへ行ってしまったが、向うへ着くか着かないのに、あいつのよこした手紙を見ると、驚いた事には三度目の妙な話が書いてある。
妙な話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)