住所ところ)” の例文
住所ところ書きをおいて行け。お前のためにうしたらいいかを考えよう。よしよし、考えておく。わしは病気で会えないが、手紙をやるぞ』
無駄骨 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「年は婆さん、お名は娘、住所ところは提灯の中でおいでなさる。……はてな、いや、分りました……が、お商売は。」
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうぞ一番に住所ところを知せてくれ、初中終しよつちゆう旅を出行であるいてゐる体だから、ぢき御機嫌伺ごきげんうかがひに出ると、その事をあんなに懇々くれぐれも頼んでゐましたから、後で聞いたら
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「もう、出かけましたぜ。佐々木先生の住所ところを教えろというから教えてやると、早のみこみに、たった今」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
筆「はい、何うも御親切に有難う存じますが是には種々深い訳がありまして、名前住所ところは申し上げられません、どうぞお慈悲と思召してお見逃しなすって下さい」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
けれど住所ところはちゃんと憶えています。……××区××町××番地雪岡京太郎というんでしょう。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
夫人は医者の名前と住所ところとをいた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その住所ところさえ分れば、今すぐにでも、自分で迎えに行きたそうな城太郎の質問であった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「失礼ですが、お住所ところは?」
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ははあ、ではその折、伊織がここの住所ところ喋舌しゃべったとみえる。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「城太郎。おまえは、この人の住所ところを聞いたか」
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)