伐倒きりたお)” の例文
しか其処そこには伐倒きりたおされた杉や山毛欅ぶなの材木が五六本残っていたので、あくまでも強情な重蔵は、自分一人でこれふもとまで担ぎ出そうとしたが、長く大きい材木は少年の肩に余って
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
船頭の左太夫は、荷打ちをさせ、垣根の破れ口を固めさせ、思いつくかぎりの手をつくしたが、間もなくはりまで海水がついたので、流れ船にする覚悟をきめ、ほばしら伐倒きりたおして垂纜たらしを流した。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
夜の明ぬ松伐倒きりたおすさくらかな 陽和
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)