仕納しおさ)” の例文
が、悒欝ゆううつではない。僕達の特務とくむも、このたびが仕納しおさめだと思うと、湧きあがってくる感傷かんしょうをどうすることも出来ないのであろう。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
罪はみんな俺が引き受けてやるからナ……それが俺の人助けの仕納しおさめだ……なぞと親父は毎日のように云って聞かせたので、スッカリその文句を暗記してしまった。
鉄鎚 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とてもの事に道楽の仕納しおさめには思ふさまつた妾宅建てたきもの何とぞ御暇おひまの節御意匠被下くだされまじくや。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「兎に角八時頃に来てくれ給え。我儘の仕納しおさめだろう」
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)