仏参ぶっさん)” の例文
四月二十日、故人の命日に当るので、静子は仏参ぶっさんをしたのち、夕刻から親戚や故人と親しかった人々を招いて、仏の供養くようを営んだ。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
仏参ぶっさんに行った家族のものは、まだ帰って来ない。うちの中はしんとしている。彼は陰気な顔を片づけて、水滸伝を前にしながら、うまくもない煙草を吸った。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ようの中ゆえ拙者の姓名等も申上げず、恐入りましたが、拙者は粂野美作守くめのみまさか家来渡邊織江と申す者、今日こんにち仏参ぶっさん帰途かえりみち、是なる娘が飛鳥山の花を見たいと申すので連れまいり
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)