仁情なさけ)” の例文
さゝ、はやなしゃれ。生存いきながらへて、後日ごじつ自分じぶんは、狂人きちがひ仁情なさけで、あやふところたすかったとおひなされ。
百両の金が何でるか知らぬがあれ程の悌順やさしい女を金にかえらるゝ者と思うて居る貴様の心がさもしい、珠運という御客様の仁情なさけ半分汲めたならそんな事わずに有難涙ありがたなみだむせびそうな者。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
パリス おゝ、しまうた!……仁情なさけがあるならべうひらいてヂュリエットと一しょにうづめてくれい。