“人面疽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じんめんそ80.0%
にんめんそ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「誰か友だちを呼んで見せて、人面疽じんめんそが出来たと巫山戯ふざけてやろう」鼈四郎が辞んでも彼は訊入ききいれなかった。鼈四郎は渋々筆を執った。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ただ父方の曾祖父が、お月様を猫に噛ませようと長い間努力して成功せず、疲労の結果、人面疽じんめんそにかかって死んだということがいささか注目に値するだけである。
二重人格者 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
しかし同時に苦痛であった。呪詛のろいの言葉をどうしよう? 「畜生道! 畜生道!」「お殺しよその男を!」こう二の腕の人面疽にんめんそが、嘲笑いささやくのをどうしよう?
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
まゆを釣り上げ眼をいからせ唇を左右に痙攣けいれんさせ、憤怒ふんぬ形相ぎょうそうを現わしている様子が、奇病人面疽にんめんそさながらである。ヒ、ヒ、ヒという笑い声はその口から来るのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)