人面疽にんめんそ)” の例文
しかし同時に苦痛であった。呪詛のろいの言葉をどうしよう? 「畜生道! 畜生道!」「お殺しよその男を!」こう二の腕の人面疽にんめんそが、嘲笑いささやくのをどうしよう?
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
まゆを釣り上げ眼をいからせ唇を左右に痙攣けいれんさせ、憤怒ふんぬ形相ぎょうそうを現わしている様子が、奇病人面疽にんめんそさながらである。ヒ、ヒ、ヒという笑い声はその口から来るのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二の腕に出来ていた二十枚の歯形——人面疽にんめんそが消えていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)