人脚ひとあし)” の例文
そうして水天宮すいてんぐう前の大きな四つつじ鎧橋よろいばしの方に向いて曲ると、いくらか人脚ひとあしが薄くなったので、頬を抑えながら後から黙っていて来たお宮を待って肩を並べながら
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
同時に、どやどや往来ゆききする人脚ひとあしに乱れて二人は、もう並んではいません。私と軽いともえになって、立停たちどまりましたので。……何の秘密も、不思議もない。——これが約束をした当日の同伴つれなので。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)