人出入ひとでいり)” の例文
大杉の家もヤヤ人出入ひとでいりしげく取込んでるらしく想像されたが、安成もそれぎり見えないので、不安を感じながら身辺の雑事に紛れていると
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
富山へけば、家内も多ければ人出入ひとでいりも、はげしし、従つて気兼も苦労も一通の事ぢやなからう。その中へ入つて、気をいためながら愛してもをらん夫を持つて、それでお前は何をたのしみに生きてゐるのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
相探あひさぐり候處一人の者の申し候には夜前やぜん深更しんかうに及びて惣右衞門方へ人出入ひとでいりの有し樣子に相聞え候と申すゆゑ猶々なほ/\穿鑿せんさく致し候處其後陸尺ろくしやくの七右衞門が惣右衞門方へ來りて種々いろ/\の話しのていなりと申し候すれば彼の惣右衞門も自分の方におく時は忽ちに知れんことを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)