五月幟ごがつのぼり)” の例文
街子まちこの父親は、貧しい町絵師でありました。五月幟ごがつのぼりの下絵や、稲荷いなり様の行燈あんどんや、ビラ絵をいて、生活をしているのでありました。しかし、街子はたいそう幸福でした。
最初の悲哀 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
当時会津あいづを主とする佐幕の諸藩と薩長さっちょう以下勤王諸藩の軋轢あつれきは、女師匠の稽古屋けいこやに若衆の入り込むていを借り、あるひは五月幟ごがつのぼりもとに子供が戦遊いくさあそびをなすていに倣ひて最も痛快辛辣しんらつに諷刺せられき。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)