二戸前ふたとまえ)” の例文
与力といってもよほど内福の家であったとみえて、湯殿はもちろん、米つき場までも出来ていて、大きい土蔵が二戸前ふたとまえもある。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お向うというのは、前に土蔵どぞう二戸前ふたとまえ格子戸こうしどならんでいた大家たいけでね。私の家なんぞとは、すっかり暮向きがちがう上に、金貸だそうだったよ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
然し、そこでも用人達が道具を片づけているのに気がついて、橋廊下をわたって、二戸前ふたとまえの土蔵のうしろになっている仮の奥の間へ入って行った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土蔵二戸前ふたとまえ焼け落ち、自火じかだから元の通り建てる事も出来ませんで、麻布あざぶへ越しましたが、それから九ヶ年過ぎますると寛政四壬子年みずのえねどし麻布大火でござります。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二戸前ふたとまえ分の金が集まった時に、祖母はまたいった。
与力といってもよほど内福の家であったとみえて、湯殿はもちろん、米つき場までも出来ていて、大きい土蔵が二戸前ふたとまえもある。
探偵夜話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)