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ことごと
ふりがな文庫
“
事々
(
ことごと
)” の例文
ただ、道具の鈍いのは難で、素人離れのしないのは欠点といえば欠点だが、
事々
(
ことごと
)
しく私へ弟子入りするほどの必要もないかと思う。
幕末維新懐古談:79 その後の弟子の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
しからば僕よりも知恵の劣った人が悪口するなら、自分より劣ったものを相手とし、
事々
(
ことごと
)
しく弁解する労を取るだけの価値がない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
秀吉は、
事々
(
ことごと
)
に驚異した。——一致した精神力の強さといっても、よもこれほどまでとは今日まで考えていなかった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
田舎の小学校のことだから、卒業式の時には尋常三年でも
事々
(
ことごと
)
しい答辞を級の代表生に
朗読
(
ろうどく
)
させるのが常だった。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
聖人の道と
事々
(
ことごと
)
しく
云
(
い
)
へども、前に云へる如く、六経を読破したる上にては、論語、老子の二書にて事足るなり。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
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今さらその理由を
事々
(
ことごと
)
しく自問し自答するにも当たるまい、こんな事は初めからわかっているはずである
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
けれども
表向
(
おもてむき
)
夫の権利を認めるだけに、腹の中には何時も不平があった。
事々
(
ことごと
)
について出て来る
権柄
(
けんぺい
)
ずくな夫の態度は、彼女に取って決して心持の好いものではなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世に
事々
(
ことごと
)
しく蛇の魅力というは、蛇に
覘
(
ねら
)
わるる鳥獣がその子供の命を危ぶみ恐れて叫喚するまでの事で、従来魅力一件を調べると、奇とすべき事がただ一つあるのみ、それは観察も相応に
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一人息子の戦死した悲しみも
事々
(
ことごと
)
しく人に向っては語りもしなかった。三十年連添った老妻浜子の病死もまた人間夫婦の生涯には、その中の一人が
必
(
かならず
)
経験せねばならないものと諦めをつけていた。
老人
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
僕はまだ同氏に面会するの機会を得ないが、氏の人格と、ことに氏が思想の人であることは彼のいうことなす
事々
(
ことごと
)
によって明らかである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
こんな作に考証も
事々
(
ことごと
)
しいが、他日の遺忘のためにただこれだけの事を書き留めておく。
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
々
3画
“事々”で始まる語句
事々物々