乗懸のりかか)” の例文
合歓ねむの花ぞ、と心着いて、ながれの音を耳にする時、車はがらりと石橋に乗懸のりかかって、黒の大構おおがまえの門にかじが下りた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひとりうなずいて、大廻りに卓子テイブルの端を廻って、どたりと、腹這はらんばいになるまでに、拡げた新聞の上へ乗懸のりかかって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ことづけというのはそれなんだがね、お雪はとてもたすからないのだから、私も今まで乗懸のりかかった舟で、この娘の魂をお前さんにおんぶをさして上げるからね、そっと篠田の処まで持って行くのだよ。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)