“丸煮(まるに)” の例文
壇の道教神(どうきょうじん)のまえには、紅蝋燭(べにろうそく)赤々と燃え、金紙の銭(ぜに)、色紙の馬、お花、線香、羊の丸煮(まるに)などの供え物が、種々(くさぐさ)、かざり立てられてある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こういう霜腹気(しもばらけ)の日に、泥鰌(どじょう)の丸煮(まるに)かなんかで、熱燗をキュッとひっかけたら、さぞ美味(びみ)なことであろう」
豚肉の串焼(くしやき)の中にも、雉(きじ)の肝(きも)の揚物(あげもの)の中にも、鯉(こい)の丸煮(まるに)の中にも、その他いろんな見事な料理の中には、みな強い酒がまぜてありましたし、それを食べながら
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
こゝは此度新に建てし長方形の仮屋(かりや)にて二列にテーブルを据ゑ、菓子の塔(たふ)柿林檎の山、小豚の丸煮(まるに)、魚、鳥の丸煮など、かず/\の珍味を並べ、テーブルの向ふには給仕ありて、客の為に皿を渡し
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
蜜柑(みかん)の丸煮(まるに) 春 第八十四 小児の衣服
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
また花だの線香だの、さらに神仏の供え物には一番な豪奢(ごうしゃ)とされている丸煮(まるに)の豚の頭まで買って、持ちきれないほど抱えこんだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)