中銭なかせん)” の例文
なお中銭なかせんという無意味な金まで取られてきたない幕をくぐると、中には丁度洗湯位の浴槽よくそうに濁った水がたまっているのだった、わずかに五、六人の見物は黙って暗い電燈の下でその汚水を眺めていた
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
甘「中銭なかせんがあるのはひどい」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
するとどやどやと嵐山あらしやま見物の一群が押よせ、さアずっとお通りなはれ、奥は千畳敷や、中銭なかせんはいらんといいながら、その中でも一番厚かましい老婆が私と私の隣との間の甚だ少しの隙間すきまをねらって