下閉伊しもへい)” の例文
陸中海岸の高台は、種市辺よりははるかに南、だいたいに下閉伊しもへい郡北端の安家あっか普代ふだいの小さな流れからこちらがことに荒涼たる草原になっている。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
紫根染は絞染しぼりぞめに限られる傾きがありますが、糸染をして見事な織物を今も作るのは独り下閉伊しもへい岩泉いわいずみであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
ネバナ 蕨の粉をネバナというのは東北一円のようで、これで製した餅をネバナ餅、岩手県の下閉伊しもへい郡では、またネ餅ともいっている(民俗研究九号)。
食料名彙 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
上閉伊かみへい下閉伊しもへいの両郡や九戸郡の如きは、山が重なり交通の便も悪いので、訪ねる人は余りありません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
同じ下閉伊しもへい地方でも、正月十六日の早朝、嫁が寝ているうちに蒲団ふとんいで、丸裸にして尻を打ったという。それも単なる話らしいが、この日をイロハギというのは意味がありそうである。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これは陸中下閉伊しもへい地方でいうことで、他にはまだ類例を知らない。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
遠野とおの物語。岩手県下閉伊しもへい郡小国村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)