“三角洲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
デルタ63.6%
さんかくす36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水牛が、釣瓶縄つるべなわを引くと、絞め殺されるような音を立てる。陽は落ちんとして、マハナディ三角洲デルタはくらいもやのしたにあった。
一週一夜物語 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
が、これも三角洲デルタがあるから、一方の岸には遠い時でも、かならず一方には草色が見える。いや、草色ばかりじゃない。水田の稲のそよぎも見える。楊柳の水に生え入ったのも見える。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
秋の中ごろだったと思う、——大三角とは、根戸川の下流にある三角洲さんかくすで、デルタというものがいかにして形成されるかということを、絵解きにして見せているような存在であった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
僕等を乗せたモオタア・ボオトは在留日本人の「中の島」と呼ぶ三角洲さんかくすを左にしながら、二時前後の湘江を走って行った。からりと晴れ上った五月の天気は両岸の風景を鮮かにしていた。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)