三片みきれ)” の例文
ちいさきたならしいおけのままに海鼠腸このわたが載っている。小皿の上に三片みきればかり赤味がかった松脂まつやに見たようなもののあるのはからすみである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
三片みきれにしてくれ。」とガヴローシュは言った。そしてしかつめらしくつけ加えた。
「そうかしらん。それじゃ道楽は追って金が這入はいり次第やる事にして、今夜はこれでやめよう」と飯茶椀を出す。何でも茶漬を三ぜん食ったようだ。吾輩はその豚肉三片みきれと塩焼の頭を頂戴した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)