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三昧境
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さんまいきょう
ふりがな文庫
“
三昧境
(
さんまいきょう
)” の例文
すでにこの小説の躍動的な面白さ美しさは、天を飛び、史実の領域を遠く下界へ捨て去って、直線を描いて
三昧境
(
さんまいきょう
)
を走っている。
真説 石川五右衛門『後編』に期待す
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
主膳が
入木道
(
にゅうぼくどう
)
を試みるのを、朝のおつとめの快事とするように、お絹がお化粧にかかる時が、この女の
三昧境
(
さんまいきょう
)
かも知れません。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
芸術と金といえば大変仲の悪いものの如く聞こえるが、その愛するという心の動き方については殆んど同じ
三昧境
(
さんまいきょう
)
を得ているある老人があった。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
彼の安静な、そしてまた業苦多い、孤独の
三昧境
(
さんまいきょう
)
は既にこの二三年前から内からも外からも少しずつ破壊されていた。
冬日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
そうしてその清貧と静寂との内に、
任運無碍
(
にんぬんむげ
)
の
三昧境
(
さんまいきょう
)
を味い得たことにあるのです。その真意を忘れ、形式に枯死する今の茶道と、心において何の連絡があるでしょう。
民芸とは何か
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
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私はこれが宗教だと云うようなものがあるとすれば、ただ、こつこつ書いている。その
三昧境
(
さんまいきょう
)
にあるような気がする。厭な言葉だけれども、私は万年文学少女なのでもあろう。
生活
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
96 舞い男——イスラム教の教団の一つに歓喜して踊り狂うことによって神との合一の
三昧境
(
さんまいきょう
)
を現出しようとするのがあるが、この教団に属する修道者がカランダールである。
ルバイヤート
(新字新仮名)
/
オマル・ハイヤーム
(著)
オースチン老師はその
以前
(
まえ
)
から固く眼を閉じ首を垂れ、今日で云えば精神集中、無念無想の
三昧境
(
さんまいきょう
)
——この婚礼の成り立たぬよう、九献の盃飛び散って儀式
乱脉
(
らんみゃく
)
になるようにと
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
襲
(
おそ
)
った
災禍
(
さいか
)
はいろいろの意味で良薬となり恋愛においても芸術においてもかつて夢想だもしなかった
三昧境
(
さんまいきょう
)
のあることを教えたであろうてる女はしばしば春琴が
無聊
(
ぶりょう
)
の時を消すために独りで絃を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この二人の芸術家は、いずれも自らの発作について手記を残しているのであるが、先ず発病の時期に宗教的な
三昧境
(
さんまいきょう
)
を見る。小林はルリヂヤス何とかと云った。
精神病覚え書
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
昧
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
境
常用漢字
小5
部首:⼟
14画
“三昧”で始まる語句
三昧
三昧聖
三昧堂
三昧燗
三昧不惑
三昧田村
三昧発得
三昧谷道
三昧道人
三昧王三昧