一綴ひとつづ)” の例文
各藩の城廓の平面図に淡彩を施したのが、何十枚となく一綴ひとつづりにしてあった。これが恐らく父の丹精によって集められたものであろう。
銅印どういんが一つ、石印せきいんふたつ、ペン皿に代へた竹の茶箕ちやき、その中の万年筆、それからぎよく文鎮ぶんちんを置いた一綴ひとつづりの原稿用紙——机の上にはこのほか老眼鏡らうがんきやうが載せてある事も珍しくない。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)