一掛ひとかけ)” の例文
ですから、病院へ入ったあとで、針箱の抽斗ひきだしにも、畳紙たとうがみの中にも、しわになった千代紙一枚もなく……油染あぶらじみた手柄一掛ひとかけもなかったんですって。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一掛ひとかけやす半襟を買ふかねとても
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
すぐにお蔦が、新しい半襟を一掛ひとかけ礼に遣って、その晩は市が栄えたが。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)