“一伸”の読み方と例文
読み方割合
ひとの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳥越へ一伸ひとのしという山谷の町であった。皆口々に囁き合って、与惣次の頭部を指して笑っていた。手をやってみると頭は栗々坊主だった、一夜のうちに綺麗に剃られていた。
局長は白鞘しろざやの短刀を腰にさしている。あと舷側まで、ほんの一伸ひとのびだ。おそれているわけではないが、胸が躍る。局長は、ひょいと身体をかるく浮かして、舷側に手をかけた。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あの、輝くのは目ではないか、もし、それだと、一伸ひとのしにさらって持ってかれよう。金魚の木伊乃みいらに似たるもの、狐の提灯、烏瓜を、あらためて、蝙蝠傘の柄ぐるみ、ちょうと腕長に前へ突出し
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)