“らんげん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
讕言66.7%
嵐弦33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
わたくしは或日蔵書を整理しながら、露伴先生の『讕言らんげん』中に収められた釣魚ちょうぎょの紀行をよみ、また三島政行みしままさゆきの『葛西志』をひもといた。
放水路 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今日その人はなお矍鑠かくしゃくとしておられるが、その人の日夜見てたのしみとなした風景は既に亡びて存在していない。先生の名著『讕言らんげん長語』の二巻は明治三十二、三年の頃に公刊せられた。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
また、その山毛欅が枝をはっている下をのぞくと、気のちぢむような断崖だんがいだ。はばはせまいが、嵐弦らんげんたきとよぶ百しゃくほどの水がドウッと落下らっかしている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さんざん逃げまわった蛾次郎は、ついに、とんでもない危地きちに自分からかけこんでしまった。そこは、嵐弦らんげんたきがけッぷちで、あきらかなゆきどまりである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やがて、嵐弦らんげんたき深湍しんたんに、白い水のおどりあがったのが見えた。そして、しばらくはえぬ泡沫ほうまつの上へ、落葉樹らくようじゅの黄色い葉や楢のがバラバラとってやまなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)