讕言らんげん)” の例文
わたくしは或日蔵書を整理しながら、露伴先生の『讕言らんげん』中に収められた釣魚ちょうぎょの紀行をよみ、また三島政行みしままさゆきの『葛西志』をひもといた。
放水路 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今日その人はなお矍鑠かくしゃくとしておられるが、その人の日夜見てたのしみとなした風景は既に亡びて存在していない。先生の名著『讕言らんげん長語』の二巻は明治三十二、三年の頃に公刊せられた。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)