“らいおう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
来往60.0%
雷横20.0%
来徃20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東都名所のうちその画題を隅田川花盛はなざかりとなしたる図の如きを見よ。まず丘陵の如くに凸起とっきしたる堤を描き、広々ひろびろしたる水上より花間かかん仰見あおぎみて、わずかに群集の来往らいおうせるさまを想像せしむるに過ぎず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いつも朝は機嫌きげんもよく二十日ねずみみたいにクルクルと小まめな雷横らいおうの母であるのに、今朝はどうしたのか、しいんと南廊なんろう小椅子こいすにふさぎこんでいた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歓待の間々に、それとなく、仲間入りの水を向けてみるものの、雷横らいおうにはいッかとそんな気はないらしい。「おふくろの年が年なので、郷里は離れられない」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小家の間の小道を上りて久堅町ひさかたまちより竹早町たけはやちょうの垣根道を過ぐるにかつて画伯浅井忠あさいちゅうが住みし家の門前より、数歩にして同心町どうしんちょう康衢こうくに出づ。電車砂塵をいて来徃らいおうせり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)