“やまごし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
山越92.9%
山輿7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十二ばん岩間寺いはまでらす巡礼の者であらう、ねむいやうな御咏歌ごえいかふし山越やまごしに響いて、それもついきこえなくなつて了つた。
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
この語には、「朝日かげにほへる山に照る月の飽かざる君を山越やまごしに置きて」(巻四・四九五)の例が参考となる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
客舎を出ると、宋万そうまんが騎馬で迎えに来るのに会った。七台の山輿やまごしかついだ山寨さんさい手下てかが、七名の客を乗せて、山ぞいをうねり、峰道を越え、やがて南山の一亭へと運んで来た。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つぎの日、洪は暁天に旅館を立ち、州門から八十支里(六町=一里)もある西南の大岳たいがくを望んで行った。案内の州役人らの次に、彼は山輿やまごしにゆられ、部下百騎は勅使旗をささげていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)