“やひ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
野卑62.5%
野鄙37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
野卑やひな凡下の投げることばのうちには、もっと露骨な、もっと深刻な、顔の紅くなるようなみだらな諷刺ふうしをすら、平気で投げる者がある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かつこの歌の姿、見ゆる限りは桜なりけりなどいへるも極めてつたな野卑やひなり、前の千里ちさとの歌は理窟こそあしけれ姿ははるかに立ちまさりをり候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
野鄙やひと風雅との境界線については、将来も久しく大議論が続くであろう。しかしそんな差別はわれわれの高祖も想像せす、末孫も感じあたわざる差別である。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かくて妾は宛然さながら甘酒に酔いたる如くに興奮し、結ばれがちの精神も引き立ちて、互いに尊敬の念も起り、時には氤氳いんうんたる口気こうきに接しておのずから野鄙やひの情も
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)