“めまつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:メマツ
語句割合
女松85.7%
雌松14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
表面は夜凪よなぎのとおり無事平穏に天神岸からともづなを解いた二百石船——淀の水勢に押されて川口までは櫓櫂ろかいなしだが、難波なにわ橋をくぐり堂島川どうじまがわを下って、いよいよ阿州屋敷の女松めまつ男松おまつ
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顔の後にほのめいてゐるのは、鶴を織り出した几帳きちやうであらうか? それとものどかな山の裾に、女松めまつを描いた障子であらうか? 兎に角曇つた銀のやうな、薄白いあかるみが拡がつてゐる。……
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わか雌松めまつの林があり、こんもりとした孟宗藪もうそうやぶがある。藪の外にはほのぼのとした薄くれないの木の花も咲いている。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
新赤壁しんせきへきの裾を幾折れして、岩屋観音にかかる。漢画風の山水である。トンネルがあり、橋がある。みちはやや沿岸を離れてくわ畑と雌松めまつの林間にる。農家がある。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
私たちはくだる。赤い雌松めまつの五、六本をあしらった二重舞台の楼閣ろうかくが次第次第に白帝城の翠巒すいらんに隠れてゆく。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)