“まんえつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
満悦80.0%
滿悦20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時彼は痴川殺害の事実については実はほとんど考えてはいなかった。ただ彼はこの手紙を受け取った痴川の狂暴な混乱を思い浮べるだけで満悦まんえつを感じていた。数日が流れた。無論返書は来なかった。
小さな部屋 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
ともあれ信雄は満悦まんえつして清洲へ帰った。匹夫ひっぷがほくほくした時のようなていであった。が、小心な彼はその姿にまで、終始うしろめたいようなかげを持っていた。秀吉の眼を極度にはばかっていたものらしい。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ガラツ八と異名いみやうで呼ばれる八五郎は、さういひ乍らも湧き上がつて來る滿悦まんえつを噛み殺すやうに、ニヤリニヤリと長んがいあごを撫で廻すのでした。
見られ澘々はら/\落涙らくるゐせられ此方はよき家來を持て滿悦まんえつに思ふなり三人の忠節ちうせつ心體見えて忝けなし去りながら我深き存意も有ればひそかに申聞すべし近ふ/\と三人を側近そばちかくこそ進ませたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)