“ふるむしろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
古蓆40.0%
古筵30.0%
古莚30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
折からあの焚き捨てた芥火あくたびが、まだ焔の舌を吐いているそのかすかな光に透かして見ますと、小屋はどれよりも小さいくらいで、竹の柱も古蓆ふるむしろの屋根も隣近所と変りはございませんが
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
物皆終あれば古筵ふるむしろとびにはなりけり。久しく苦しんでいる内に文三の屈托も遂にその極度に達して、忽ち一ツの思案を形作ッた。所謂いわゆる思案とは、お勢に相談して見ようと云う思案で。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そしてふたりは、月ノ宮の御籠堂おこもりどうおいをおろしたが、古莚ふるむしろにつめたいゆめのむすばれぬまま、くこおろぎとともにもすがら詠歌えいかをささげて、秋の長夜ながよを明かしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)