“ふたもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蓋物76.2%
葢物14.3%
蓋器4.8%
4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこでお盆の上の蓋物ふたもののつまみを取って開けて見る。なんと貧弱なビスケットだ。なすった白の、薄紅の花模様を一つかじって、淋しいなとなる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
と云うので毎日昼頃になると、お村が三組みつぐみ葢物ふたものに色々な物を入れて持って参ります。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
広間の方で、あまり愉快そうな笑い声がどよめくので、彼は、夕刻、お台所の方からそっと取り寄せておいたごまめの醤油煮しょうゆに唐辛子とうがらしをかけたのを、蓋器ふたものにいれ、のこのこと出向いて行った。
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はははは」笑いながら、一人が、伝右衛門のそばにある蓋器ふたものを見つけて
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
史進もまた、こう貰ってばかりいてはと思って、家に伝わる紅錦織こうきんおりを三りょううわぎに仕立てさせ、あぶらののッた美味うまい羊の焼肉を大きなふたものへいれて、日頃の礼にと、山寨さんさいへ届けさせた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)