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ひでくに
告後藤五左衞門秀盛入道は此時五十五歳にて
先關八州を
志ざし再び武者修行にぞ
立出ける扨又後に殘りし後藤半四郎
秀國は丸龜の道場を
察し是々御浪人我等は此樣に見苦しき
身形故定めて
不審き者と
思されんが必ず御心配なさるに及ばず某は
讃州丸龜に住居なす後藤半四郎
秀國とて
劔道指南を
傳授したる
甲斐ありと悦ぶ事限りなく爰に於て
丸龜の道場は養子半四郎に
任せんと五左衞門は我名の一字を
讓つて後藤半四郎
秀國と
名乘せ
門弟中へも右の
趣きを
吹聽なし五左衞門は是より
猶我が
流名を