“はださむ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
肌寒91.3%
膚寒8.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ山国は肌寒はださむい四月の中旬の、花ぐもりのしたゆうがた、白々しろじろと遠くぼやけた空の下を、川面かわづらに風のく道だけ細かいちりめん波を立てて
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
竹を伐るということ、薄紅葉という事につけても、時候の肌寒はださむを身に覚えるという風に解する方が適切かと考えるのである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
闇討ちや刀槍とうそう威迫いはくにはいっこう驚かぬ剛愎な連中も、さすがにどうも膚寒はださむい気持で、その話にだけはなんとなく触れたくなく、しめしあわしたように口をつぐんでいた。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その露のちりばむばかり、蜘蛛の囲に色めて、いで膚寒はださむゆうべとなんぬ。山からおろす風一陣。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)