膚寒はださむ)” の例文
闇討ちや刀槍とうそう威迫いはくにはいっこう驚かぬ剛愎な連中も、さすがにどうも膚寒はださむい気持で、その話にだけはなんとなく触れたくなく、しめしあわしたように口をつぐんでいた。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その露のちりばむばかり、蜘蛛の囲に色めて、いで膚寒はださむゆうべとなんぬ。山からおろす風一陣。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)