“にしき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
98.6%
錦繍1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
故郷へにしきを着るというほどでもないが、まあ教師になって這入った。そうして初めて教えたのが、今いう安倍能成君らであります。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
からには、蜀江しよくかうとて、にしきを洗ふ所と、詩歌にも作るところあり。日本ひのもとのすのまたなどのやうに広く、いかめしう人も通はぬ大川たいせんなり。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
繿縷つづれの袖に置く露の、そればかりが悲しき涙か。錦繍にしきの上に散る玉は、よしや生命の水なるも、飾れるものにあやまたれ、何ぞと人の問はぬにも、心は千々に砕くるなる。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
その遊廊には錦繍にしききものを着て瓊瑶たまの帯をした絵で見る仙女のような若い女が往来ゆききしていて、それが二人と擦れ違うことがあった。その若い女達は青年をじろじろと見て往った。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)