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てんぐいわ
天狗岩に、斜に刺さっている爆弾のような怪しい物!
又この
人並ならぬ
雲雀骨の
粉微塵に散つて
失せざりしこそ、
洵に夢なりけれと、
身柱冷かに
瞳を
凝す彼の
傍より、これこそ名にし負ふ
天狗巌、と
為たり
貌にも車夫は
案内す。
「いい具合に雨も晴れました。そら
天狗巌が見え出しました」
青臭いどころか、お前、
天狗巌だ、七不思議だと云ふ者が有る、
可恐い山の中に違無いぢやないか。そこへ
彷徨、
閑さうな
貌をして
唯一箇で
遣つて来るなんぞは、
能々の
間抜と思はなけりやならんよ