“てもちぶさた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手持無沙汰81.8%
手持不沙汰18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
折角せっかく楽みに来ても、楽めないでいるような客の前には、中年の女が手持無沙汰てもちぶさたに銚子を振って見て、恐れたり震えたりした。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
着車時間は迫りけれども停車場内せきとして急に汽車の着すべき様子も見えず。大原は待合室に入りて人を待つ間の手持無沙汰てもちぶさたに独り未来の事を想像する
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
いつになくいとい避けるような調子で言って、叔父が机にむかっていたので、お俊はまた何か機嫌をそこねたかと思った。手持不沙汰てもちぶさたに、勝手の方へ引返して行った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
如何いかなる西洋嫌いも口腹こうふくに攘夷の念はない、皆喜んでこれあじわうから、ここ手持不沙汰てもちぶさたなるは日本から脊負しょって来た用意の品物で、ホテルの廊下に金行灯かなあんどんけるにも及ばず
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)