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ためよし
わしは
白昼に見たのだから。それは無数の霊の空中に
格闘する恐ろしい光景であった。わしは武器の
鏗鏘として鳴る音を空中に聞いた。そのあるものは
為義のようであった。
いまは
罷めたが、
検非違使をしていた
源ノ
為義。知ってるだろう。
大治五年、あの人が、
延暦寺堂衆の鎮圧にのり出したとき、四白の
栗毛にのっていた。
相模栗毛とよんで、人も知るかれの愛馬だ。
八幡太郎義家から三
代めの
源氏の
大将を
六条判官為義といいました。
為義はたいそうな
子福者で、
男の
子供だけでも十四五
人もありました。