“たほうとう”の漢字の書き方と例文
語句割合
多宝塔100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人穴ひとあな残党ざんとうを一きょ蹴散けちらして、主将呂宋兵衛るそんべえを生けどり、多宝塔たほうとうの三じゅうふうじこめた伊那丸いなまる軍兵ぐんぴょうが、あかつきの陣ぞろいに富岳ふがく紅雲こううんをのぞんで
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「オオ、あの旗じるしを見ろ、多宝塔たほうとうの下にいるおん大将をおがめ、あれこそ、この土地のむかしのご領主、信玄しんげんさまのおんまご武田伊那丸たけだいなまるさま——」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多宝塔たほうとうのいただきから、たくみにわしをつかって逃げうせました呂宋兵衛るそんべえは、どうやら、越前えちぜんきたしょうを経て、京都へ入りこみましたような形跡けいせきにござります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今度の安楽寿院の金堂こんどうの落成につづいても、次には、さらに三層の多宝塔たほうとうを建てられる思し召しがあった。
一山の大道場は文殊院もんじゅいんといって、結構けっこう壮麗、七堂の伽藍がらん多宝塔たほうとうの美は翠色にえ、七百の出家たちの上にある碩学せきがく智真ちしん長老といって、私とは兄弟分ともいえる仲でして
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)