“そうばう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
匇忙60.0%
怱忙20.0%
匆忙20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕も大抵たいていの売文業者のやうに匇忙そうばうたる暮しを営んでゐる。勉強も中中思ふやうに出来ない。二三年ぜんに読みたいと思つた本も未だに読まずにゐる始末しまつである。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
啄木、永く都塵に埋もれて、旦暮たんぼ身世しんせい怱忙そうばうに追はれ、意ならずして故郷の風色にそむくうちに、身は塵臭に染み、吟心またつかれをおぼえぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
我は古き畳の上に、忠勤なる古帽はすすびし壁の上に、各々かくて人生の怱忙そうばうしばしのがれて、胸の波さへ穏やかなる安心の蓮台れんだいに休らふを得るに至れる也。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
この数篇の文章の中に軽佻けいてうの態度を求めるのは最も無理解の甚だしいものである。僕は締切り日に間に合ふやうに、匆忙そうばうとペンを動かさなければならぬ。
僻見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)