“しおりもん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
枝折門66.7%
柴折門33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今は職人の数も少かった。そして幾分不用になった空地あきちは庭に作られて、洒落しゃれ枝折門しおりもんなどがしつらわれ、石や庭木が多く植え込まれた。住居すまいの方もあちこち手入をされた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
向うに見える、庭口から巣鴨の通へ出ようとする枝折門しおりもんに、きつけた腕車くるまわきに、栗梅のお召縮緬めしちりめん吾妻あずまコオトを着て……いや、着ながらでさ、……立っていたのがお夏さんでね。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一同は早速水茶屋の床几をはなれ、ここにもおい茂る老樹のかげに風流な柴垣を結廻ゆいめぐらした菜飯茶屋の柴折門しおりもんをくぐった。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
間もなく、お正客の秀吉たちは、亭主の信長と宗易に見送られて、茶庭の柴折門しおりもんから退さがった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すこし後から斎藤利三としみつがそこの柴折門しおりもんから出て行ったとき、もう息子も友松もいなかった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)