“さんま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
秋刀魚78.3%
三馬8.7%
太刀魚4.3%
青串魚4.3%
青刀魚4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
魚も野菜も慥かにうまいし、料理のしかたもあっさりと凝っている。だがおれは、鯛の刺身さしみよりいわし秋刀魚さんまの塩焼のほうが恋しくなった。
おさん (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
毘沙門びしゃもん提灯ちょうちんは年内に張りかえぬつもりか、色がめて暗いなかで揺れている。門前の屋台で職人が手拭てぬぐい半襷はんだすきにとって、しきりに寿司すしを握っている。露店の三馬さんまは光るほどに色が寒い。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新潮社の中村さんが来た。何度逢つても例のやうな私には覚える事の出来憎い顔であるなどと話しながら思つて居た。夕飯ゆふはんを味噌漬の太刀魚さんまで食べた。
六日間:(日記) (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
たまにこの山里へかつがれて来る塩辛い青串魚さんまなぞは骨まで捨てることを惜しみ、炉の火にこんがりとあぶったやつを味わって見るほど魚に縁が遠い。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
魚類ではさば青刀魚さんまいわしの如き青ざかな、菓子のたぐいでは殊に心太ところてんを嫌って子供には食べさせなかった。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)