“こちらさま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
此方様72.7%
御当家様9.1%
是方様9.1%
此方樣9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時に旦那さま、そう申せばこの頃は何とやら大層世間が騒々しいそうで御座りますが、此方様こちらさまに私見たようなものがおりまして万一もしもの事でもありましたらと、それがもう心配でなりません。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
念が届いて有難うございます、どうぞお殿様のおひまの節には、少々ずつにてもお稽古が願われようかと存じまして参りました、御当家様こちらさまに若様でもいらっしゃいます事ならば
へい番町ばんちょう栗橋くりはし様が御当家様こちらさまは、真影流しんかげりゅう御名人ごめいじんと承わりました故、うぞして御両家の内へ御奉公にあがりたいと思いましていましたところ漸々よう/\の思いで御当家様こちらさまへお召抱めしかゝえに相成り
『一寸伺ひますが、』と紳士は至極丁寧な調子で、『瀬川さんの御宿は是方様こちらさまでせうか——小学校へ御出おでなさる瀬川さんの御宿は。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
どうして/\御庭いぢり所か御本宅にては御取込で御目出度けれど、此方樣こちらさまでは秋からかけて孃樣の御病氣、御隱居樣の御心配それは/\實に御氣おきの毒でならぬ
うづみ火 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)