“くじゅう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苦渋40.0%
苦汁30.0%
久住15.0%
九重10.0%
苦澀5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、そういう苦渋くじゅうな様子はほんのちょっと現われるだけで、すぐまた、元の陽気な馴々しい「タイメイ」さんにかえるのである。
石ころ路 (新字新仮名) / 田畑修一郎(著)
やがて、木工助は、苦汁くじゅうを吐くように、そう答えた。いや、うめいたといったほうがよい。それほど、語るには苦しい事情でもあるらしい。
其代表的のものは尾瀬であろう。日光の戦場ヶ原や信州の戸隠ノ原、又は鬼怒沼原も稍々やや之に類している。私には未知の地であるが、九州の久住くじゅう高原はこの例に入るきものであろう。
高原 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
崩平くえんたいらという山を一巡すると湧出わくで山という山が見え出す。続いて九重くじゅう山、久住くじゅう山、大船たいせん山、黒岳などという山が前面に現れた。あたかも列座の諸侯を見るような感じで威風堂々と並んでいた。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
(男首をれて辻馬車のたまりをさして行く。昔のおろかなりし事の苦澀くじゅうなる記念のために、その面上にはあわれむべき苦笑の影浮べり。灰いろの空よりは秋めける雨しとしとと降れり。)
辻馬車 (新字新仮名) / フェレンツ・モルナール(著)