“きやうない”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
京内33.3%
境内33.3%
疆内33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
京内きやうないが里の茶店でお菓子を買つてもらつて、佐次兵衛さじべゑに伴れられて山小屋へ帰つて来たのは、の翌日でありました。
熊と猪 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
紀州きしうの山奥に、佐次兵衛さじべゑといふ炭焼がありました。五十の時、かみさんに死なれたので、たつた一人子の京内きやうないれて、山の奥の奥に行つて、毎日々々木をつて、それを炭に焼いてゐました。
熊と猪 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
境内きやうないに特種の理想を発達し来れり、而して煩悩ぼんなうの衆生が帰依するに躊躇ちうちよせざるは、この別天地内の理想にして、一度ひとたび脚を此境に投じたるものは、必らずこの特種の忌はしき理想の奴隷となるなり。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
翌朝ネピを發してテルニイにいたりぬ。こは伊太利疆内きやうないにて最も美しく最も大なる瀑布ある處なり。われは案内者あないじやと共に、騎して市を出で、暗く茂れる橄欖オリワの林に入りぬ。うるほひたる雲は山巓さんてんに棚引けり。