“きいちご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
木苺73.9%
木莓13.0%
懸鉤子4.3%
木栂4.3%
木覆盆子4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたりは青々と、光に満ちていた。風は木々の葉なみをそよがせ、時おり木苺きいちごの長いえだを、ジナイーダの頭上ですっていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
良寛さんの手には、別れるときお母さんが、そつと握らせて下さつたお金の包と、小さい妹の一人が折りとつてくれた木莓きいちごの花の一枝があつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
懸鉤子きいちごの匂もするやうだし
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
花をみ、木栂きいちごをとりなどして、小半日もあちこちと遊び歩き升ていもと草臥くたびれたとて泣出し升たから、日影の草原へ腰かけてやすんで居升と、間近に見える草屋根のうちから
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
かわりを差上げたくも一杯きりでモーない。これは小山君の評の通り如何いかにも仙家の酒に違いない。即ち三宅島の木覆盆子きいちごから製した酒だ。酒というよりも、純粋なる覆盆子の液というべし。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)