“かたおも”の漢字の書き方と例文
語句割合
片面100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
行灯あんどんの灯が片面かたおもを照して居るせいもあるでしょう、何時いつしたたるような美しい顔が、妙に引緊ひきしまって、畳に突いた片手は、ワナワナとふるえて居ります。
黄金を浴びる女 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
真弓は頓狂とんきょうな叫び声をあげて、その小さい紙片を握りしめた。さっき、自動車のほろうちに、チラリと見せた片面かたおもが、どうも紅子に似ていると思ったが、矢張やはりそうだったんだ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と言懸けて、頬のこけた横顔になって打背うちそむいた。——小松原の肩のあたりから片面かたおも耳朶みみたぶかけて、天井の暗さがさかさまに襲ったのを、じっと見ながら、これがある婦人と心中しようとした男だとうなずいた。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)